おすすめポイント
【写真】
冒頭に写真が載っています。すべて白黒写真ですが どれもインパクトがあります。
犯人の写真や 被害者の写真です。犯行現場の写真もあります。
グロ画像ではないのですが 想像力が働いてしまい グロに見えてきます。
著者である ロバート・K・レスラーさんと一緒に
連続殺人犯のエドモント・ケンパーも載っています。
白黒写真というのが また 緊張感を煽ってくれています。
個人的には もっと見てみたいです。
【プロファイリング】
プロファイリングとは 犯罪にあるパターンを探し 犯人の特徴を予想する。
様々な犯行現場や犯罪の手口などから 犯人や容疑者の
データを収集し 心理的な思考パターンも含め 行動パターンや人物像などを
検証し データに照らし合わせて 犯罪捜査を行動科学的に行うというものです。
犯罪のノンフィクションやドキュメンタリーを読むなら 必須と言っても過言ではないでしょう。
【秩序型犯罪】
秩序型犯罪とは 計画性を持った犯罪のことで 計画性のある犯罪のこと言います。
実際に犯行が行われる前に 犯人は被害者になる特定の相手を決めており
実行のために使われる凶器なども準備しています。犯行後も 証拠を隠滅するなど
一般的な知能や知識を持っています。教養も高く 社交的なことが多いようです。
子供の子頃から 虐待などを受けて 危険な妄想や空想をして過ごし
成長とともに妄想を現実にする環境が整ってしまうと 犯行に走ってしまうようです。
秩序型犯罪者は 父親の仕事は安定しているが しつけは甘く
子供は 何をやっても許されるという勘違いを抱くようになる。
【無秩序型犯罪】
無秩序型犯罪とは 計画性を持たず 行き当たりばったり的に 罪を犯します。
犯罪に使う凶器などは 準備せずに 犯行現場に偶然あるものや ターゲットになる
被害者が持っているものを 使ったりします。
犯行後も 証拠になる凶器や 自分の指紋なども そのまま犯行現場に
放置していることが多いそうです。
知能は あまり高くなく 教養も高くありません。
人との関わり方が下手で どちらかといえば 一人で過ごすことが多いようです。
無秩序型犯罪者は 父親の仕事が不安定でしつけが厳しく 家族の中に
アルコールや精神病など 問題を抱えている家庭で育っていることが多い。
【インタビュー】
著者である ロバート・K・レスラーさんがインタビューした内容が載っています。特に 連続殺人犯エドモンド・ケンパー との会話は
印象に残ります。犯罪者ですが 頭は切れます。 エドモンド・ケンパーは
冒頭の写真にも載っており 著者と二人で並んで写っています。
強そうです。襲われたら逃げられないかもしれません。巨体です。
巨体の上に秩序型なのですから 標的にされたら ひとたまりもないでしょう。
他の連続殺人犯にも会いに行き 面接をしています。
リチャード・トレントン・チェイスやジョン・ゲイシーなど 犯罪史上 有名な連続殺人犯です。
リチャード・トレントン・チェイスは殺した被害者の血液を飲んでいたので
吸血鬼として有名な殺人犯です。
ジョン・ゲイシーは少年ばかりを狙った殺人犯で 道化師の格好をして
近所の人気者だったことで有名な殺人犯です。
刑が確定した殺人犯に 面接をしてインタビューをしたのは
これが初めてとのことです。
【プロファイリングの効果】
この本で 実際にプロファイリングが役に立った事例も紹介されています。
成功例しか載っていないので どの程度の確度なのかは検証できませんが
一定の効果はあったようです。少なくとも 超能力捜査よりは遥かに実績はあったでしょう。
余談ですが テレビの超能力捜査に出演している超能力者は
勝手に捜査の手伝いをしていると言っているだけで 警察やFBIから要請されることはありません。
どちらかと言えば 邪魔しているように見えるのですが。本人たちはお構いなしです。
当時は 殺人犯のデータベースも少なく 捜査の役に立つプロファイリングも
信頼性や確度も低かったと思われます。それでも殺人を犯すような 凶悪な犯罪者には
1978年 まだプロファイリングが生まれたばかりの当時から共通点は発見されており
リチャード・トレントン・チェイスなどの 連続殺人犯の捜査の参考にもなっています。
プロファイリングがある程度の犯人像を絞ることで 捜査の幅を狭くして 効率よく
捜査できるようになります。連続殺人事件では 次の犠牲者が出る前に犯人を
追い詰めなくてはいけません。時間との勝負です。可能な限り効率よく
捜査を進める必要があります。そこでプロファイリング技術の向上が必要になってくるのです。
個人的な感想
犯罪ドキュメンタリー本の バイブルみたいな存在でしょうか。
読み応えは あります。犯罪関係の本が好きなら 一度は聞いたことがある
タイトルでしょう。
「プロファイリング」とか「行動科学」という言葉を知ったのは この本でした。
映画「羊たちの沈黙」にプロファイリングが登場し その存在も有名になりました。
羊たちの沈黙は ホラー映画としては初めて アカデミー賞の作品賞を受賞した大ヒット映画です。
すぐに影響を受けて プロファイリングごっこをやったのを覚えています。
テレビのニュースや新聞などで 話題になった事件を FBI捜査官になりきって
プロファイリングするという 何の工夫もない遊びでしたが
やってみると これが とっても楽しいし ハマるんです。
プロファイリングという意味を知るだけでも 貴重な知識になります。
色々な場面で使えるので役に立つと思います。
ノンフィクションや犯罪関連の本が好きなら 読んでおくべきだと思います。
読んでおいて損はしない一冊です。
超余談ですが あの マーダーケースブックの
記念すべき第一号は チャールズ・マンソンでした。
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